アイドルが世界を救う話

だってだって、アイドルなんだもん。

「オタク」の話

半年以内に友人二人から「プロポーズされちゃった!年内に入籍して、年が明けてしばらくしたら結婚します(はーと)」ってLINEが来た。
私はまだ学生で、こういうのが頻繁に来るのって社会人三年目あたりからだと思っていたからすげービビった。ふたりとも同じ場所で出会った人たちで、何人かでグループトークがあるんだけど私以外彼氏が居て、この連絡以降、私以外既婚者となる。私以外。わたし、以外。
春から就職して働き始めるってのにもう既にここのコミュニティで私は「未婚者」というラベルが貼られた。そんな感じがした。ふたりめの連絡をもらったとき、昔なじみの人たちと飲んでたからなのか、はたまた昼間に後輩に結婚について語られたからなのかはわからないけど、グサッときた。

もしこの連絡を観劇帰りに見てたら、どう思ったんだろう。いまと同じようにうわーやべぇなあ寂しいなあって思うのか、まあ今楽しいしいいわって思えるのか。


まあそんな始まりで、今日は私が自分のことを「○○オタク」と言えるようになったきっかけについて書こうと思う。始まりから脱線してる。

オタクって言えない
一番最初、小学生の頃、ジャニーズが好きだと言えなかった。流行のドラマを見ていること、その中で誰が一番カッコいいかは言えても、「○○くんが好きなんだ」とは言えなかった。あのドラマが好き~とかアニメが好き~って言えたし好きなアーティストの名前は言えたのに。だから小学生ながらに好きな人がドラマの特集で新聞に載っていれば切り抜いて保存したし、一時期新聞を取らずにレモンな一覧表を買ってるときは切り抜きまくってたし、朝の情報番組は5時間の放送のうち20分くらしか出なくても録画してチェックしていた。自分自身で自由に使えるお金がたんとあったわけじゃないからコンサートは行けないし、雑誌だって何冊もあるうちの一冊だけを買って。でも母親にだってこのことは言えなくて、雑誌をずっと机の下や布団の下に隠してた。
そして初めて、同学年で「オタク」というものに出会ったのだ。彼女はジャニオタではなかったけど、私の良く知らないパンクでロックなアーティストが好きで彼女はそれを全面にアピールしてた。机に書かれたグループ名。公式グッズの数々。「これが好きだ!」と口に出している彼女はかっこよかった。その子につられて私もジャニーズが好きなことを言えるようになったんだけど、それでもやっぱり男の子にジャニオタであることがバレるのは最後まで嫌だったなあ。

大学生になって、「好きなものはなんですか?」について答えることが増えた。私はまあ観劇が好きなので「舞台観劇が好きです」って答えるんだけどこれがまあね、大学内に芸術学部があってアート系よりも舞台寄りのパフォーマーだったり裏方だったりガチでいま板の上に立っている子も居るのでがっつり聞かれるんだよね。「何観るの」って。劇団四季は見たことないし帝劇にもまだ行ったことが無い。国立劇場に行ったことはあっても、そんな語れるものじゃないし。だから安易に言えなくなった。その子たちのがよっぽど「観劇オタク」で私はただの「若手俳優オタク」でしか無いから。なんかさ、私は自分が「若手俳優オタク」の括りであることに文句は無いんだけど、「顔がいいから好きなんでしょ」みたいなのが少し苦手で。顔が好き、だから好きなのはいいの。でも若手俳優=顔で仕事してるって考え方はちょっと切ないよね。あとオタクではあるけど貢いではないから周りの理解と一致しない部分があったり。オタクって言うのも難しいなあって。
そんな中で出会った先生が「オタクってつまり、好きを極めている人でしょう?」って言って、なんかいろんなつっかかりが消えていった。そう、好きなんだ。好きをたくさん積み重ねているから私はオタクなんだ。ただ好きなら月に何十回と観劇に行かない。イベントにだって行かないしDVDもきっと安いとこで買えばいいって思う。グッズだって言ってしまえばブロマイドはただの紙切れ。だけどそのブロマイドは今しか買えなくて舞台上で動いている彼らを収めた写真なんてそれしかない。そんな気持ちが働くからオタクなんだ。

そこからは自分の好きなことを口に出すのが楽になった。観劇が好きだけど好きな俳優さんが居てねって言えるようになったり。「オタク」って言葉の意味は本当は異なるのかもしれないけれど、私はこう思うことで言いやすくなったなーって話でした。


最後に冒頭に戻ると、私は少しずつそっちのことも考えられたらいいなと思うようになったよ。観劇だけできていればいいって思えない。我儘だけど、20代前半は一瞬で終わるんだ…